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人生相談の中でぜってえ言うたら駄目なセリフナンバーワンとは「まれ」82話

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朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)7月2日(木)放送 第14週「絶対絶命メッセージプレート」第82話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:一木正恵圭太「仕事と結婚 どっちや大事ねん。」希「はあ〜!? まさか ほれを言うが? 世の中の人生相談の中で ぜっ(長く伸ばして)てえ言うたら駄目なセリフナンバーワンをちゃ あんたや言うがけ!?」圭太「ほんだけ言いてえ男や おるっちゅう事や!」期待が捨てられない2年半待っていた圭太(山崎賢人/崎の大は立)が堰を切ったように結婚を迫ってくる。でも希(土屋太鳳)はそれどころではなく・・・。「どっちが大切」としつこく聞かれ「仕事!」と売り言葉に買い言葉になってしまい、感情に任せて電話を激しく切ってしまう。これって、恋愛初期の情熱を持て余した喧嘩という気もしないでなく・・・。オープニングの歌に「風が強く冷たいほど 教えてくれる 出会うべき人のことを」ってありますけど、希はちっとも強く冷たい風に当たってないように思うのですが、風の強さも冷たさもひとそれぞれで、当事者にとっては、かなり強く冷たい風なのかもしれませんが。能登から一歩も出ず、狭い世界で生きてるみのり(門脇麦)と懸命に励まし合っているのも切実に響くひともいるのかなあ・・・なんてことを考えていて、ふと、思い出したのが昔のドラマ「想い出づくり。」(山田太一脚本、TBS、1981年)です。田中裕子が出ています。彼女を含む3人の女性が結婚を前にいろいろ揺れ動くお話で、3人のうちのひとりが結婚を決めた男性が、途端にものすごく亭主関白になり固定化された夫婦の形を押し付けてくるんです。それがいやで、主人公の3人は披露宴をボイコットするという女たちの革命を遂行します。加藤健一が演じた亭主関白男はものすごく癖があって本当にいやな感じなのに比べたら、圭太は爽やかイケメンだけど、このドラマで彼がいまやっていることは、この加藤健一が演じていた亭主関白男に近い気がしていて。そう思うのは、脚本の篠崎絵里子が、向田邦子の『胡桃の部屋』のリメイク版(11年)や角田光代の『紙の月』のドラマ版(14年)の脚本も書いているくらいだから、男と女の事情に深く切り込んでいってくれるんじゃないかっていう期待が捨てられないんです。篠崎さんのオリジナル「眠れる森の熟女」(12年)も夫に捨てられた主人公とその親友と、不倫相手のそれぞれの思いと、不倫する男の駄目な感じの描写が丁寧で、すごく引き込まれました。「まれ」にもときどき、ふっと、その気配を感じるのですが、なぜか、その火が燃えるまでに消えてしまう。ああ、なんでしょう、このもどかしさは!「シェフはよく1000回やれっていいます」「ひとの100倍だったら 10万回練習しましょう」とどじっ子新人を応援する希。陶子(柊子)がいないのをいいことに彼女が否定していた根性論をまた厨房に持ち込んでいます。ここに関してはツッコむよりも、希は、ひとの応援するときが一番輝いていますねと肯定したいと思います。勝手に、今日の名言「一つ一つやらな。」(みのり〈門脇麦〉)結婚のことより新人のことをさきに片付けろという提案するみのり。極めて全うな助言でした。今日の、気になるひと愛人がよく似合うグラビアタレント・橋本マナミが、第3週「卒業ロールケーキ」14話以来の再登場。弥太郎と仲良いスナック勤務のかなえさん。ほんとにこういう役をやらせたらハマりまくっているなあとキャスティングに感心です。(木俣冬)

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