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「夏も近づく八十八夜〜」という歌が懐かしく思い出される新緑の季節。新茶は摘まれてから7月末〜8月初旬ごろまで市場に出回り、その爽やかな風味で私たちに夏の訪れを感じさせてくれます。そんな夏の風物詩、緑茶ですが、最近は飲むだけでなく「食べる茶葉」もじわじわ注目を集めていることを知っていますか?お茶を沸かすとお茶殻が出ますが、それを料理に利用してしまうというあまり馴染みのないお茶の活用方法です。お茶にはカテキンなど健康によい成分がたくさん含まれていることも有名です。お茶だけでなく茶葉ごと体に取り入れて健康体を目指しましょう。 ■ 食べるお茶って何? ◎ 食茶の歴史 お茶は日本では平安〜鎌倉時代にかけて「飲み物」として渡来しました。食べものとして広がりを見せたのは江戸時代です。奈良の茶粥、沖縄ぶくぶく茶、出雲ぼてぼて茶などの茶粥として庶民の間に広まっていきました。それ以外にも蕎麦の生地に抹茶を練り込んだ茶そばが高値で取引され、人気を集めていたそうです。「茶葉を食べる」という行為は中国の故事にも登場します。神農(医薬と農業の神様)が野山の草を食べられるかどうかを判断しており、毒にあたった際には茶葉を噛んで解毒した、というものです。貴重な薬草として扱われていたことがうかがえます。そんな故事もあり、中国、台湾では茶葉を使った料理は昔から食べられていました。「龍井蝦仁」というエビと茶葉の炒めものや、「純菜魚元湯」という茶葉入り魚団子のスープなどの郷土料理が有名です。それらの他にも最近では茶葉を利用したお菓子・飲み物が増えてきたようです。 ...